タワー校舎、24時間オープンの自習室も
キャンパスのインフラ整備にも積極的だ。女子学生を集めるには新校舎は欠かせない。すでにメーンの東大阪キャンパスは整備されて新校舎が次々と建設されたが、さらに2020年を目指して本格的なキャンパス整備が計画されている。タワー校舎の建設をはじめ、何と言っても2400席用意される24時間オープンの自習室の建設は他に例を見ない。今の高校生は家で勉強せず、図書館や学校や塾などの自習室、教室などで勉強するのが主流だ。ところが、大学にはあまり自習室が用意されておらず、大学に進学すると学習スタイルが変わるのが普通だ。それを今の高校生のライフスタイルに合わせようというのだ。
また、近畿大トップの理由には今年ならではのものもある。2015年入試から新課程入試が始まる。今年は“ゆとり世代”最後の卒業生に当たり、来年からは学習範囲が広がった新課程を学んできた高校生が入試に挑む。来年入試では数学と理科が新課程入試となる。
そのため、今年の受験生は「浪人すると不利」「もう後がない」との考えが強く、現役志向、安全志向の大学選びが例年以上に顕著になった。関西の私立大トップは関関同立(関西大、関西学院大、同志社大、立命館大)で、その抑えとして集中的に近畿大が狙われたと見られる。志願者が増えるには必ず理由があり、それも一つだけではなく様々な大学改革の要素があってこそ大きく伸びるのだ。
では、来年はどこがトップになるのだろうか。今年は上位3校が本当に僅差だった。また、安全志向から今年は明治大や早稲田大が敬遠されたと見られ、来年の巻き返しが注目される。それを抑えて近畿大が2年連続トップになるのか目が離せないといえよう。
(熊谷武二=撮影)