プロデューサー おちまさと氏が添削!

【×BEFORE】

企画書

(1)タイトルは企画で最も大切な「キーワード」。最終的に変わるとしても、読み手を考えさせたり、内容を説明するようなものはNG。一目で内容がわかるものにしたい。

(2)自分のアイデアが、読み手にわかりやすいように説明されているだろうか。「具体策を提供する」とあるが、何のための具体策なのか、踏み込みが一歩足らない周知の情報を入れてもインパクトに欠ける。

(3)説得材料としてデータを示すのはよい。しかし、ターゲットにする層にマッチしたものでないと意味がない。

(4)概略をダラダラと説明しても読み飛ばされるだけ。簡潔、明瞭に。

(5)根拠のない売り上げ目標よりも、競合との比較情報がほしいところ。

【○AFTER】

(1)ありそうでなかったタイトルに全力を――「ヒラ社員の部下のままでいたい」ということをストレートに表現する。そうすることで「ありそうでなかった」「やられた」という印象を与え、読み手の心を引き込めるようになった。

(2)消費者の悩みに解決策を出せ――想定するターゲットにコンテンツと解決策を出せて、はじめてビジネスが成立する。また「何が悪いのか」といった刺さる言葉で「驚き」を持たせるようになっている。

(3)意外なデータで説得力を増す――意外な客観データを提供することで、読み手は「この企画にのってみよう」という意識になる。企画書を書く目的は、自分を有利にすることなのだ。

(4)内容はキャッチーな個条書きに――単に内容を整理したものでなく、読み手の心を掴む目次をたてる。書籍以外の企画書でも具体的な内容を個条書きに。

(5)一貫した論理構成で――他の競合する可能性のある商品と比べることで、ありそうでなかった企画であることを一貫して主張し、マーケットの確実性も強調する。

プロデューサー おちまさと
東京都生まれ。人気テレビ番組やウェブサイトの企画・プロデュースをはじめ、ファッションプロジェクトや企業ブランディングも手がけるオールラウンドプロデューサーとして活躍中。『「気づく」技術』など著書も多数ある。
(構成=宮内 健 撮影=小倉和徳 事例作成=伊藤博之)
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