小山田浩子(おやまだ・ひろこ) 
1983年、広島県生まれ。2006年広島大学文学部卒業。10年「工場」で新潮新人賞受賞。13年初の著書『工場』が第26回三島由紀夫賞候補となる。同書で第30回織田作之助賞受賞。「穴」で第150回芥川龍之介賞受賞。

とても奇妙で、不思議な気持ちにさせられる小説だ。ある町で暮らす主人公が職場を辞め、夫の実家の隣の一軒家で暮らし始める。姑や義理の祖父などとの生活には最初、何の問題もないように思えた。しかし、いつまでも続く終わりのない夏休みのような日常の中、あるとき彼女は謎の獣を見つけ、あとを追ううちに突然、「穴」へ落ちる――。

「“ヨメ”という存在にずっと不思議さを感じていたんです」

(HAL=撮影)
【関連記事】
本谷有希子―無意識の悪意を描く気鋭の劇作家
『長女たち』篠田節子著
『女たちのサバイバル作戦』上野千鶴子著
『それでもわたしは山に登る』田部井淳子著
『わりなき恋』岸惠子著