「手荷物はシンプルですが、みなさん必ずと言っていいほど、本を携帯されます。多い方で、10冊以上の本をお読みになる方もいらっしゃいました。そういった方は紙袋に本をどっさり入れて機内に持ち込まれます。ファーストクラスのお客様にとって、フライト時間のほとんどが読書タイム。とにかくみなさん熱心に本を読まれていました」

社会的地位がある人でも、マーカーで印を付けたり、気になる個所に付箋を貼ったりしているという。彼らにとって読書は単なる趣味ではなく、人生や仕事をより向上させるためのヒントを探す、ある意味“投資”。蓄積した情報をアウトプットする必要のない機内では、新たな情報をインプットする時間に充てているのだ。

ただし、彼らが読んでいるのは難しいビジネス書ではない。歴史小説や伝記といったジャンルが目についたという。

読書家の乗客の中には、一冊一冊読み終えるごとに書評をメモにまとめたり、その本の読みどころを書き出すこともあるようだ。

「到着後、『悪いけれど、本を処分しておいて』と頼まれるのですが、その際、本と一緒にご自分の書評を渡してくださるのです。わたしたちCAは、その書評を拝見し参考にしながら、読みたい本を分け合うこともありました」

ファーストクラスの常連たちの手荷物が“シンプル”で“コンパクト”であるそのわけは、リフレッシュに不要なものは機内に持ち込まないからである。必要最低限の身のまわり品、そしてフライト時間を有意義に過ごすための本があれば十分なのだ。

CA-STYLE主宰美月あきこ(みづき・あきこ)
日系、外資系航空会社の国際線キャビンアテンダント(CA)として活躍後、女性の転職・就職を支援する会社CA-STYLEを立ち上げる。人財育成コンサルタントとして、現在も全国各地で講演・研修を行う。著書に、12万部のベストセラー『ファーストクラスに乗る人のシンプルな習慣』などがある。
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(コメンテーター=CA-STYLE主宰 美月あきこ 撮影=荒井孝治)