ワインと同じようにタイミングがキモ
その頃はまだヴィンテージのことなどつゆ知らず、書き留めさえしなかったが、ワインの場合、同一銘柄でもブドウの中り年であるかどうかが出来ばえを左右する。さらにそれを適温で静かに寝かせ、瓶詰めした後、輸送中の振動、衝撃にも気をつかうという。
天候、気温、時間など地球環境そのものがワインの出来不出来に直接、影響してくる。品質を保持するためには、いかに多くの難関が待ち構えていることか。たとえ同一銘柄でも、まず同質ではない。それだけに、いいワインとの出会いはまさに千載一遇なのである。
柏木さんはワインの輸入も手掛けておられ、試飲会を主催するにあたって、会員の伝手でカーヴとしてこの店の大型冷蔵庫を使わせてもらえるようになったそうだ。
デカンタージュもワインによってかける時間が微妙に異なってくる。短いと薫りたたず、長いと酸化してしまう。
タイミングが重要なのである。コルヒチンの服用も然り。
私の場合、発作が起きるのは、足首、アキレス腱、膝と決まっている。ならば、少しでも違和感があれば、すぐに服用すればいいようなものだが、そこで躊躇してしまう。たまに長時間歩いたりした翌日などにチクチク、ジンジンすると、それが疲労によるものか、痛風なのか、判断に迷うのである。
先述したように、コルヒチンは劇薬で、副作用もある。
「とりあえず、一服いっとこう」
気軽にごくん、とはいかない。
「鎮痛剤でようすをみてから」
半日経過して、痛みがとれないときには、コルヒチンをのむ。「薬効薬理」には、
「鎮痛、消炎作用はほとんど認められない」(前掲タカタ使用説明書)
とあるが、個人的な感想では、痛みを雲散霧消させるには、コルヒチン以外、有効な薬に中っていない。
(佐久間奏=イラストレーション)