男女席を同じうす:ターゲットの数は2倍に
前出の「子ども専用理髪店」というアイデアには「少子化時代に成り立つだろうか」と疑問を持たれる方がいるかもしれません。
しかし男の子限定にせず、女の子もターゲットにして「ユニセックスの子ども専用理髪店」をセールスポイントにしていけば顧客層を広げられます。ユニセックスにして男女席を同じうすれば、単純にターゲットの数は2倍になるのです。
ユニセックスに先鞭をつけたのが1990年代に登場したカルバン クラインのフレグランス「ck one」で、ここからコロンを男女で共用しようという流れが出てきました。
従来のマーケティング手法に従うと「ターゲットは20代男性」というように、必ず性別でセグメンテーションを行います。しかし、こうした発想からは「ck one」のような商品は生まれません。21世紀は性別で分けないほうがいいというのが私の考えです。
男女の両方をターゲットとするには、共通のニーズに注目することが大切です。従来のマーケティングでは調査データを性別で見ていました。しかし男女を分けて考えるのでなく「男女に受けているものは何か」という観点で見ていくようにすることが大切です。
売ってから始まる商売:スマホ用カーナビアプリの次にくるのは
ある商品がヒットしているとき、その商品の開発に着手するのではもう手遅れです。売れている主流の商品ではなく、いち早くその傍流にくる商品を見抜くことが大切です。売ってから始まる商売を考えるのです。
たとえば洗濯機が売れているとき、その次にくるのは洗剤であり、またその次にくるのは柔軟剤です。ヒットしている商品の次にくる傍流の商品は何かを考え、それを売るのです。
携帯電話がよく売れていた時代に、携帯の傍流商品で大ヒットを飛ばした私の友人がいます。その商品は何だと思いますか?
答えは携帯ストラップです。これは私がアドバイスしたアイデアで、「携帯電話が小型化するにつれ紛失しやすくなるので、今後はストラップみたいなものがいいだろう」という話を彼は実行し、成功しました。
最近はスマホ用のカーナビアプリがよく売れていますが、本物のカーナビに比べ使い勝手が悪い。そこで必要とされる商品は何か、と考えていきましょう。スマホに連動するキーボードや音声入力システムなど、いろいろなアイデアが浮かんでくるはずです。