「ジュニーニョはいつもフットボールを楽しんでいて、常に一番を目指していたね」
そう振り返るのはネイマールの地元のクラブ「ポルトゥゲサ・サンティスタ」の元監督で、ネイマールにフットサルを指導したこともあるレジナルド・“フィーノ”・フェレイラ・デ・オリヴェイラである。
「あいつはストリート、近所、市内、その後州全体、そして国全体で断トツで、今や世界一も近くなってきた。毎日上達を続けている。幼い頃から、ずっと同じだよ」
短い言葉ながら、ロドリゴ・メッシ、ジョルジュ・メンデス、フィーノは3人の選手たちがこれだけの成果を挙げた成功の秘訣、(才能とは別の)資質について語ってくれた。
まず大切なのは、幼い時期からの情熱だ。メッシ、ロナウド、ネイマールの3人とも幼い頃からフットボールに熱中していた。そしてこの3人が、ほかの何億ものプロフットボール選手になれなかった子供たちと違ったのは、プロ選手になるために粘り強く夢を追い続けたということだ。
そこには、膨大な献身と自己犠牲が求められる。メッシ一家の場合は、スペインへの移住だ。ロナウドにとっては苦しかったリスボンでの日々、そして家族と共に父親の死に目に会えなかったことだ。
3人ともプロ選手になるために「普通の」子供時代を犠牲にし、練習と試合に明け暮れた。「一人の母親として、神が息子に幸せな人生を与えてくださいますように。レオは本当の意味で人生を楽しんでいるとはいえないから」。かつてメッシの母、セリア・クッチッティーニがそう語ったことがあった。「あの子は肉体と魂のすべてをフットボールに捧げています。ですから、本来同年代の若者が楽しめるはずのことができていません」
※本連載は書籍『Who is the Best? メッシ、ロナウド、ネイマール。最高は誰だ?』(ルーカ・カイオーリ 著)からの抜粋です。