イチローの強靭な心が折れそうになった瞬間とは?

仕事や生活をする際に「逆境を乗り越える」人の思考パターンを知り、自分の中に取り入れることが有効な方法だと考えています。そこで、イチロー、高橋尚子、孫正義、羽生善治などさまざまな分野で活躍する人の思考習慣を研究しました。

度重なる怪我、常人では耐えられない試練やプレッシャーを前に、どう考えて乗り切ってきたのかを9つの思考習慣として整理しました。

「心が折れそうになった」

2009年、イチローがWBC第二ラウンド韓国戦の敗戦後に発した言葉です。

確かに、イチローはチームリーダーであるのに、大不調。打率は1割台とレギュラーシーズンでは信じられない成績に日本中からも落胆の声が挙がっていました。

私は、あのイチローでも「心が折れそうになった」という言葉を使うのかと親近感を覚えたのですが、人生はいい時ばかりではなく、仕事や私生活でネガティブな考えにとらわれることがあるものです。問題は、そこからすぐに立ち直るのか、長く悶々とするのかということです。

ストレスは思考習慣で軽減できる。そう私は考えています。

たとえば、クレームを災難だと捉えている人と、製品を良くできるチャンスだと捉える人ではストレスが異なるのは安易に想像できるでしょう。大切なのは、表に出てくる感情よりもそれを生み出している思考です。この思考の捉え方が心の折れにくい人と折れやすい人とでは大きく違うのです。