心が折れにくい人の思考習慣を、明日から!
「逆境を乗り越える」人、たとえば、イチロー、高橋尚子、孫正義、羽生善治などさまざまな分野で活躍する人の思考習慣を私は長年研究してきました。
度重なる怪我、常人では耐えられない試練やプレッシャーを前に、彼らがどう考えて乗り切ってきたのかを抽出した9つの思考習慣を前回(http://president.jp/articles/-/12822)ご紹介しました。今回は、どうすれば、その9つの思考習慣を身につけられるかの方法をご紹介します。(今回習慣1~4、次回習慣5~9を掲載)
【習慣1.等身大の自分を受け入れている】
長所も短所も含めて等身大の自分を受け入れることで適切な自信を持っている。
◆対策A 差ではなく違いと捉える
野球でも球を早く投げられる人、足が速い人、ヒットを量産する人、遠くまでボールを打てる人、それぞれ違った個性が必要です。パーフェクトな選手は存在しません。強みを磨き、弱点を小さくする継続的な努力をしている人が活躍しているのです。
◆対策B 多様な自分を許す
心理学者リンビル氏の「自己複雑性の理論」によると、自分を多面的にとらえず単純にとらえている人は挫折に弱いが、自分を多面的にとらえている人は挫折に強いということです。自分はいい加減なときもあるし、几帳面なところもある。内向的な面もあるし、外交的な面もあると多面的にとらえられる人は自分を許すことができます。
◆対策C 過小評価を修正する
最初に、専用ノートを持って、自分の強み、他人から言われた褒め言葉、過去の成功体験とその要因を書いてください。次に、成長していく自分を楽しむことです。1日でできたこと、成長したこと、学んだこと、次に生かすことをノートに書き出します。これを継続することで偏った自己評価を徐々に修正することができます。
【習慣2.相手を変えず見方を変える】
人間関係において相手を変えようとするのではなく、自分の見方を変えることで感情のわだかまりを解消できる。
◆対策A 相手の違いを尊重し理解する
人は自分と同じもの、似たものに対して安心感を覚え、違うものに恐怖や不安を覚えます。違いを理解するために1つお勧めなのが心理学的なタイプ分けを知る事です。ソーシャルスタイル、エニアグラム、MBTIなど本を読んでタイプの多様性を理解すると客観的に自分と相手との違い、ギャップを知ることができます。
◆対策B 適切な自己主張をする
上記のように見方を変えたら、次に話し合いです。理解し合うという行為のためには自分の意見を伝えることが欠かせません。次の5つの内容を交えて意見を言うと相手に伝わりやすくなります。
(1)感謝(日頃の感謝や今回勉強になったことなどを伝える)
(2)事実(今回の起きた事実、相手の発言を伝える)
(3)感情(それによって自分がどんな気持ちになっているかを伝える)
(4)提案(自分としては次からこうしてほしいという解決策を伝える)
(5)効果(最終的に双方にどのようなメリットがあるかを伝える)