売り上げの6割、利益の3分の2を占めていた本業が、市場の急変であっという間に赤字事業に転落。そんな時期に社長を任されたら、とんでもない貧乏くじを引かされたと運命を呪ってもおかしくはない。ところが、古森重隆氏はこう思ったという。

古森重隆(こもり・しげたか)
1939年生まれ。63年東京大学経済学部卒業後、富士写真フイルム(現・富士フイルム)入社。2000年代表取締役社長、03年代表取締役社長兼CEOに就任。現在は、富士フイルムホールディングス代表取締役会長兼CEO。

「私は、この危機を乗り越えるために生まれてきた」

(宇佐美雅浩=撮影)
【関連記事】
なぜコダックは破綻し、富士フイルムは好調なのか
脱フィルムの迷いを断った「偉大な哲学者」の教え -富士フイルムHD会長兼CEO 古森重隆氏
「幹部15%」の枠に入れる人、落ちこぼれる人
富士フイルムHD 古森重隆―部下に折り合いをつけさせる唯一の方法
トヨタ最高益決算でも豊田章男社長が繰り返す「飢餓感」