新人に必須の「かわいがられ力」
では、教え甲斐のある「伸びる新人」とはどのような人なのでしょうか。最近の研究により、伸びる新人には4つの条件があることがわかっています。1、忠実実行(言われたことをきちんとこなせるか)2、学習意欲(学ぶ姿勢を見せられるか)3、察する能力(状況を見極めてふさわしい行動を取れるか)4、楽観的(前向きにものごとを考えられるか)
なぜこの4条件なのでしょうか。先ほども述べたように、それは学校と違い、見どころのある人にだけ教えるというのが社会のルールだからです。教えてもらうためには、援助行動(Help-Seeking activity)を引き出す「かわいがられ力」が必要です。1~4はそのために欠かせない条件なのです。
特に、3の「察する能力」が、教える側にとって実は一番、クリティカルな条件かもしれません。OJTトレーナーは教えることが専門の先生ではなく、自分の仕事もこなさなくてはなりません。新人はトレーナーの仕事の邪魔をしないように配慮しつつ、教えを乞う必要があります。そこでOJTトレーナーがどのような状況で仕事をしているかを「察する能力」が求められるというわけです。