保険料は世帯年収の8%も占めている。人生設計にあった保険を選び、必要以上の保障を見直すだけで、家計を多面的に改善することができる。

国民の死因の半数以上を占める、がん、急性心筋梗塞、脳卒中。そこで、「3大疾病」向け保険が数多く販売されている。

まず、医療保険だ。CFP・黒田尚子さんによれば、近頃はこの3大疾病に糖尿病、高血圧性疾患、肝疾患、腎疾患などを加え7大生活習慣病もカバーする医療保険商品が登場。中でもはNKSJひまわり生命の「健康のお守り」と、オリックス生命の「CURE」が人気だという(共に終身型で、保険料が安い)。

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3大疾病保険金が出るための典型的な条件

「健康のお守り」で入院日額1万円、1入院限度日数60日型を40歳男性が選択すると月の保険料は4350円。7大疾病にかかった場合、入院制限日数が2倍の120日になり、また、「だんだん割」という特約を付加すると、条件をクリアすると5年ごとに10%ずつ保険料が安くなる(最大50%割引)。

次に、3大疾病に特化した死亡保険だ。死亡時、もしくは高度障害状態時、3つの病気で所定の状態になったときに一時金として200万円などまとまった保険金が出る保険。ただ注意が必要なのは3大疾病になれば必ず保険金が出るとは限らないこと。3大疾病の保険金が出るには、「保険期間中にこれらの病気になって、約款に記載された“一定の条件”をクリアすることが必要です」(社労士&CFP・井戸美枝さん)。

例えば、急性心筋梗塞では「60日以上、労働の制限を必要とする状態」、脳卒中であれば「60日以上、言語障害・運動失調・麻痺など」が続いたと医師が診断したケースにおいてのみ保険金が支払われるというようなことが多い。逆に言えば、「軽度な症状では保険金は出ない」(井戸さん)。