介護認定の話が済むと、次に介護用品を揃える話になりました。在宅で介護を行うために揃えなければならないものがたくさんあるのです。まず高さや上体の角度をスイッチひとつで自在に変えられる電動のベッドとベッド上で食事を摂るためのテーブルをレンタルすることになりました。

次いで、支えがあれば立ち上がれることが確認できたため、病院への通院やデイサービスに通うことを想定して車椅子と玄関の段差を車椅子で通るためのスロープもレンタルすることを決めました。

また、ベッドの横に介護用ポータブルトイレを置くことにしました。立ち上がれるのなら、自分で用を足した方がいい。その方が、家族に下の始末をさせる精神的苦痛がなくなるし快方に向かわせるリハビリの効果も期待できるということからです。

ただし、トイレはその用途からレンタルはできず購入することになりました。しかし介護保険による1割負担によって、ベッドや車椅子など一式のレンタル代は1カ月で2000円ちょっと。トイレの定価は約2万円でしたが、やはり1割負担により2000円ほどで購入できました。この費用で済むことを知った時は、介護保険制度のありがたみをしみじみと感じたものです。

ただし、高齢化により要介護者が増加することで財政がひっ迫。現在のような手厚い介護保険を維持するのは難しくなる、というのが現実です。実際、現行の介護保険は改正され、来年の4月には年金などで一定以上の所得がある高齢者を対象に負担が1割から2割に引き上げられる予定です。今後、利用者の負担はさらに増えることになるでしょう。この問題については改めて書きたいと思います。

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