【田原】なるほど。それから、事業計画も立てないと聞きました。会議も仕様書も、事業計画もない。むちゃくちゃじゃないですか(笑)。

【森川】いや、事業計画は一応あるんですよ。ただ、つくり手がそれを意識しても意味がないので。

【田原】どういうことですか。

【森川】計画があると、つくり手は計画通りやろうとします。たとえば3カ月の計画が2カ月でできたら、もうちょっと何かやろうという話になるし、逆に本当はもっとかかりそうだったら、何か削ってしまおうとしてしまう。でも、それはユーザーにとって無意味なこと。一番大事なのはいいものを早く出すことなので、つくり手もそれに集中してもらったほうがいいですよね。

【田原】もう一つ。森川さんは「企業が収益化を考え始めると、利用者が気づいて離れていく」とおっしゃっている。どういうことか教えてください。

【森川】ユーザーが求めているものと企業が求めているものがずれると、当然、ユーザーは離れていきます。そこをどれだけイコールにできるかがチャレンジ。それをやり続ければ、つぶれることはないです。

【田原】そこで聞きたい。収益化を求めると利用者が離れていくと言いながら、LINEの売り上げは伸びている。13年はどれくらい伸びたのですか。

【森川】13年10~12月は122億円。前四半期より20%増、前年同期比では450%伸びています。

【田原】それだけ伸びるということは、やっぱり収益化を考えてるんじゃないですか。

【森川】えーと、結果的に収益が出たというところでしょうか。

【田原】そこのところがよくわからない。もうちょっと説明して。

【森川】僕たちのユーザーさんのほとんどはお金を使っていなくて、お金を使っている方も非常に小さい金額です。だからユーザーさんにお金を使ってもらう技術を入れたり単価を高めたりすれば、売り上げはすぐに何倍にもなるでしょう。でも、僕たちの目的はユーザーさんを増やすこと。もちろんサービス継続のために必要な部分だけは収益モデル化していますが、ユーザーの方がいやがるような収益モデルをやるつもりはないんです。実際、LINEで広告はやっていないですし。