「法科大学院」はこうして生まれた
では大学法学部元々の目的であったはずの法曹養成機能はどこが担っていたのかというと、大学法学部の授業と自学自習だけで司法試験に合格できるごく一部の優秀な学生を除いては、司法試験予備校という各種学校に通いながら、何回も司法試験を受験し、ようやく合格した後に司法修習を受けて、やっと法曹になるというのが普通のコースとなっていました。
この状況に問題意識を抱き、法曹養成制度の抜本的転換を目指したのが、2001年6月に出された司法制度改革審議会意見書「21世紀の日本を支える司法制度」でした。
同意見書は「司法試験という『点』のみによる選抜ではなく、法学教育、司法試験、司法修習を有機的に連携させた『プロセス』としての法曹養成制度を新たに整備すべき」であり、「その中核を成すものとして、法曹養成に特化した教育を行うプロフェッショナル・スクールである法科大学院を設ける」べきと主張したのです。
これを受けて、内閣に司法制度改革推進本部が設置され、その法曹養成検討会で検討が行われました。
司法試験は5年間に5回まで受けられる
また、法科大学院制度の整備のためには学校教育法改正が必要なので、文部科学省の中教審大学分科会法科大学院部会で審議が進められましたが、これと並行して前述の専門大学院を拡充し、後述の専門職大学院を創設する審議も中教審大学分科会大学院部会で進められました。
司法制度改革から発した法科大学院の議論が、専門職大学院の創設を助長したことになります。
こうして2002年11月に、司法試験法及び裁判所法の改正法、法科大学院の教育と司法試験との連携等に関する法律、学校教育法の改正法が成立し、2004年度から専門職大学院の一種として法科大学院制度が開始されました。
その設置基準において、法科大学院は専門職大学院のうち「専ら法曹養成のための教育を行うことを目的とするもの」と定義されました。標準修了年限は3年ですが、法学既修者は2年で修了できます。
修了者には法務博士という称号が与えられます。司法試験の受験資格は原則として法科大学院の課程修了者ですが、予備試験という抜け道も設けられ、かつ5年間に3回(※現在は5回)までという受験回数制限が課せられました。


