論理を越えた差別化が必要に

リクルーティングをするときに、どんな人材が欲しいかを考えて行くだろう。その考える過程で、アップルストアの方法を説明してくれた。

「まずは、コンセプトは何かを突きつめていきます。ただの家電量販店ではなく、そこに来ることで得られる満足感は、従来なかったもので生活を変えていくことではないかと仮定する。ならば、それを売る人たちは誰だろう」

……そんな課題を持って、街に出て行くという。

そこで行きついたのは、ディズニーストアの“期待を超える満足度”を満たす対応や、ラルフローレンのマネージャーのあり方だ。エンターテインメントとアパレルブランドはまったく違うものながら、そこから収束させてアップルストアのあるべき姿を導き出すのである。何かを伝えようと思った瞬間から、こうした発散思考と収束思考を繰り返していくことで、やがて自分の中で話がまとまり筋道が見いだせることだろう。

「論理構築をして流れをつくったところで、論理を越えた差別化が必要になります。そのためには、自分の伝えたいことは何かをとことん突きつめたアプローチをして、たくさんの情報を収集し、その中から明確な自分の意見を導き出すことが大切です」