どこまで努力したらブレークするか
せっかくよい努力をしていても、途中で断念する人や企業が大半だ。最大の理由は、「どこまで努力したらブレークするのか」という閾値がわからないからだ。
努力と結果の因果関係は頭ではわかっていても、その努力をいつまで続ければ結果につながるのかが見えない。たとえ努力の方向性は正しくても、ゴールが見えないのは実にしんどい。見えない閾値を越えるには、「あと1回」「もうひと踏ん張り」と自分を鼓舞するStickyさが不可欠だ。
ある業界の営業の世界では、まことしやかにこう囁かれている。
「平凡な営業マンは顧客に平均6回訪問する。飛び抜けた成績を挙げる営業マンの平均は7回。あと1回顧客を訪問できるかどうかが成否の分岐点だ」。
どの営業マンも努力をしていないわけではない。しかし、6回で諦めてしまう営業マンと、7回という閾値を乗り越える営業マンでは、パフォーマンスに決定的な違いがあるということだ。
科学的な裏付けがあるわけではない。しかし、6回も訪問したにもかかわらず、ものにならなければ、意気消沈し、諦めるのが普通だろう。平凡と非凡の差は、この時に「もうあと1回」訪ねてみようと思えるかどうかなのだ。
7回行けば成約できるとわかっていれば、どの営業マンも「あと1回」に挑戦する。閾値が見えないときの「あと1回」の努力こそが、非凡な才能である。