ポイント1 一度見直せば効果が続く「固定費」
以下、5つのポイントで、限られた収入からお金を増やす方法をお伝えします。
家計を整えるうえでまずやってほしいことは、固定費とやりくり費の整理です。家計は大きく分けると固定費とやりくり費に分けられます。やりくり費とは食費や日用品費、交際費など毎月の中で調整できる支出のこと。一方で固定費は住居費や保険料、通信費など、毎月ほぼ一定額かかる支出です。
多くの方が節約しようとするとやりくり費から手をつけますが、ここには限界があります。やりくり費は生活の満足度に直結するため、削りすぎるとストレスがたまり、結果的に続かなくなるからです。
一方で固定費は、一度見直せばその効果が毎月自動的に続きます。老後は収入が増えないからこそ、「頑張らなくても下がる支出」をどれだけ発見し、削減できるかが重要になります。まずは固定費とやりくり費を分けて書き出してみましょう。この作業をするだけでも、現状が把握でき、家計改善の第一歩になります。
ポイント2 「余ったら貯める」ではお金は残らない
固定費とやりくり費を分けて考えたら、次に重要になるのが貯まるしくみをつくれるかどうかです。老後の家計で安定している人に共通しているのは、細かく節約している人ではなく、お金の流れがシンプルな人です。年金生活になったとしてもそのうちの5%でも10%でもよいので必ず一定額を何かあったときの貯蓄として蓄えておきましょう。
先に触れたように特別費として2万円を確保するのでもよいですし、その代わりに5%~10%の貯蓄でもよいので、年金が入ったら、全部使い切らないように、先に別の口座に自然に確保できるしくみを作っておきましょう。そして残りの範囲内で生活費を決め、その中でやりくりします。
老後は貯蓄まで回す余裕はないと思うかもしれません。でも不測の事態に備えて収入の一部を貯蓄しておくことは、経済的基盤を作るうえでとても重要です。先取り貯蓄のしくみを作ることができれば、無理に節約しなくても自然とお金は残ります。反対に、流れが整っていないと「足りないから取り崩す」「余ったら使う」という状態になり、家計は不安定になります。大切なのは、日々の細かい管理ではなく、貯まるしくみをつくっておくことです。家計は努力ではなく、整えるものなのです。
老後の家計で最も大切なのは、「収入の範囲内で暮らす」というシンプルな原則を守ることです。収入が年金中心になる老後こそ、この原則が家計の安定を支えます。
年金が少ないと嘆いていても、お金はなくなっていくだけです。多くの不安は、「足りなくなったら貯蓄を使えばいい」という考えから生まれます。しかしこの状態では、毎月の家計が赤字であることに変わりはなく、貯蓄は確実に減り続けます。
大切なのは、日々の生活費は年金の範囲内でまかなうことです。そして特別費や予測できない支出に備えるために一定額を先取り貯蓄しておきます。この役割分担ができるだけで、お金の流れは安定し、不安は大きく軽減されます。

