あなたの情報は銀行に筒抜け

しかも銀行はあなたの懐事情を知りすぎている。預金残高はもちろん、給料もボーナスも、毎月のカード利用額まで筒抜けだ。学費の引き落としで子どもの成長がわかり、退職金が振り込まれれば真っ先に気づく。だから「お子さまの将来のために」「セカンドライフの資金づくりに」と、人生の節目に合わせたセールストークを的確に打ち込んでくる。これほど営業しやすい相手はいない。

銀行員は丁寧に話を聞いてくれる。身振りも言葉遣いもやわらかい。なにより銀行という看板の信用がある。だから安心してしまう。でも、感じの良さと、すすめてくる商品の中身は別物だ。愛想がいいのには理由がある。あなたから抜く手数料がそのまま銀行の収益になり、行員の給料に化けるからだ。客を大事にしていないとは言わない。手数料を運んでくれるカモとして、大事に大事にもてなしているのである。

手数料の高さはそれだけでリスクだ。投資のリターンは誰にも読めない。明日の為替も来月の株価も神のみぞ知る世界である。ところが手数料は違う。買う前から取られる額が決まっている。儲かっても取られる。損しても取られるのだ。だったら手数料は少ないに越したことはない。

用はATMだけ、銀行員と口をきいたが最後

わたしと共著を出したこともある経済評論家の山崎元さんは「年間の手数料が0.5%を超える商品はまとめてゴミだと思え」と言っていた。わたしもこの意見に大賛成だ。この物差しを銀行がすすめる商品に当てはめてみるといい。合格するのはせいぜい個人向け国債くらいだろう。でも銀行員が国債を熱心にすすめてくることはまずない。売っても銀行はほとんど儲からないからだ。向こうから笑顔で差し出してくる商品に、買っていいものなど最初からないのである。

銀行の窓口に行くと、割高な商品を売りつけられ、延々と待たされて時間まで奪われる。店内は混んでいるので風邪をもらってしまうかもしれない。銀行窓口はまるごとリスクなのだ。

銀行の窓口に並ぶ人
写真=iStock.com/Oscar Gutierrez Zozulia
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銀行そのものは使えばいい。給与の受け取り、公共料金の引き落とし、振込。インフラとしては便利だ。でもお金の相談相手にしてはいけない。つき合いは徹底的にドライでいい。

窓口に並ぶな。銀行員と口をきくな。どうしても行くなら、用はATMだけで済ませろ。あなたが銀行の養分になる義理などどこにもない。