お金があると幸せになりやすいのか? 年収300万円台~1500万円以上の人まで貯蓄額、残業の多さ、出世欲から性生活の頻度まで、仕事と家庭のさまざまな面からアンケート調査した。
調査概要/楽天リサーチの協力を得てインターネットを通じて個人年収300万円台、500万円台、800万円台、1000万円台、1500万円以上の各年収200人ずつ、計1000人より回答を得た。調査期間は2012年3月23~25日。
仕事に求める最大の目的(図11)を尋ねたところ、低年収ほど「給料」、高年収ほど「社会や人々へ貢献」と答える割合が多く見られた。
仕事を社会や他人に貢献し、承認を得ることの手段として考えている高年収層と、仕事はお金を稼ぐ手段と割り切り、そこでは自分が必要とされているという幸福感を得られない低年収層との違いが顕著に出ている。
仕事を通じて承認と幸せを得ている年収1000万円以上の高年収層だが、彼らに不満はないのだろうか。
「震災後、社内政治がひどくなった」など(図16)職場への不満が最も多いのは1000万円台。個人の成果は自分が仕事を頑張れば挙げることができるが、職場環境やメンバーまでは変えられないことに対するもどかしさ、自分と同等の意欲と能力を持って仕事をできる人がいないことへの苛立ちだろう。
高年収でも一生安泰とは限らない時代においては、誰もが多少なりともリストラや再就職に対する不安を抱えている。会社のために十分働いている自負があるためか、リストラへの不安は最も低いが、再就職への自信はあまりないのが800万円台(図17)。
転職で同程度の給与を得る自信がないのか、自分の市場価値に対する評価(図18)も500万円台よりも低く、プチ高年収の800万円台の苦悩が垣間見える。
(構成=山本信幸)