子供と二人三脚で合格へ到達できた家庭の秘密は何か。セルフマネジメントプログラムの講師をしている園田恭子さんは自身の経験を踏まえ「親自身が心の状態をレッド・ゾーンではなく、グリーン・ゾーンに留まるにするようにすると声かけのセリフが変わる」という――。
Transformのエグゼクティブ・アドバイザー園田恭子さん
撮影=堀隆弘
Transformのエグゼクティブ・アドバイザー園田恭子さん

なぜ、母親は仕事帰りにグリーン車に乗ったのか

1回目の概要:経営学者ピーター・F・ドラッカーの思想をベースにしたセルフマネジメント理論では、交感神経と副交感神経という自律神経の波が適度な範囲内で、エネルギーを高めたり休めたりして波を打っているのが理想的な“グリーン・ゾーン”と言われる。だが、子供が中学受験をする家庭では、子供も親もフラストレーションや心配事などで心が充満するレッド・ゾーンに突入してしまい、リラックス空間であるはずの家庭内を息苦しくさせてしまうことも多い】

わが子が中学受験に挑む家庭で、できるだけ子供や親がグリーン・ゾーンにいれるためにはどうしたらいいのか。成績の好不調や、集中力の上下などさまざまな要素で子供のメンタル状況は不安定だ。それを見守る親も不安や焦りがあり、平静を維持するのは難しい。

セルフマネジメントプログラムの講師を務める園田恭子さんはかつて娘の中学受験に寄り添った経験がある。

その日の仕事がしんどくて帰宅時に大きなストレスを抱えたまま家に入ると、家中をレッドに染めてしまう。そうなると全員のリラックスタイムが台なしに……。園田さんはそれを回避し、グリーン・ゾーンに戻るために次のような工夫をしていたそうだ。

1) 家に入る前に「リセット」

「私はたまに仕事帰りにグリーン車(JR在来線の指定席)に乗ってボーとする時間にしたり、自宅近くのカフェでお茶を飲んだりしてから玄関のドアを開けていました。お金はかかりますが、そうすると、家で落ち着いて家族に向き合えました。

人間はネガティブに意識が向くのがデフォルトなので、放っておくとどんどん親子共々レッドの状態になって行きます。グリーンの状態になると子供のポジティブな側面(成長、可能性や自信の種)に意識を向けて声をかけることができます。電車やカフェは、仕事由来のレッド・ゾーンから理想の家庭モード(グリーン・ゾーン)に切り替える、最高のリセットタイムだったんですね」

心をグリーン・ゾーンに戻すには、こうして意識的に「余白」の時間を設けるといいのだ。リセットという意味では、子供の成績が急降下したり、想定外の事態に見舞われたりした場合、「その場を離れる」という方法もある。

「興奮している状態から、一度冷静な状態に戻すための『リセットボタン』を用意しておくといいですね。実践しやすいのは、呼吸に意識を向けること。今の自分の状態に気づけます。もしくは、その場を離れること。時間があれば、深呼吸したり、瞑想したり、軽いストレッチ・運動をしたり。ベランダに出て、夜空の星を数える、トイレに行って目を閉じて深呼吸する。お茶を飲んで落ち着くというもいいですね。

こうして、頭の中でぐるぐる考えている状態から別のことに一旦気をそらし、落ち着きを取り戻して余白を作ることができます。今のこの瞬間、自分が何を感じているか、体験しているかに気がついているか否かが、分かれ目になります」

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記事に登場した園田恭子さんも講師として登壇します。
詳細は下記をご参照ください。
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