「決別」しないと高市カラーは出せない
高市氏は、8月27日、読売新聞の単独インタビューで、「成長なくして財政の持続可能性は維持できない」と述べ、持論である「責任ある積極財政」を通じて国内投資を喚起し、「成長と財政規律」の両立を目指すと強調した。
消費税減税に慎重で財務省の意向を代弁してきた麻生氏にすがっていては、「サナエノミクス」は実現できない。
6月30日、経済財政運営に関する「骨太の方針」を発表して以降、ますます円安・債券安・長期金利上昇が進んでしまった後始末、さらには、飲食料品の消費税率引き下げに伴う財源確保といった課題も、高市氏主導で解決してこそ、支持率も回復するというものである。
その意味では、「X(旧twitter)で『寝てません』アピールをするよりも、麻生氏頼みから決別したことを人事で示したほうがいい」(自民党・旧安倍派衆議院議員)とも言えるのだ。
義弟・鈴木氏が幹事長留任なら麻生勝利
高市氏が麻生氏に「すがる」か「関係を断つか」、あるいはどちらが勝者となるのかを見極めるポストがいくつか存在する。
現時点で、筆者が衆参両院の国会議員や東京・永田町で常駐取材をしているジャーナリストから聞き取りをした内容から列記してみる。
○自民党幹事長
麻生氏の義弟で財務相経験者の鈴木俊一幹事長(73)が留任なら麻生氏の勝利。現状ではその方向。高市氏が鈴木氏より信頼し、旧安倍派を束ねることもできる萩生田光一幹事長代行(63)が昇格なら引き分けだ。萩生田氏は麻生氏にも接近し、「国民民主党を与党に」との考えでも一致している。
一部に、幹事長経験者の茂木敏充外相(70)を起用するのではという見方もあるが、鈴木氏を副総理や財務相として閣内入りさせ、幹事長には、麻生氏と近い茂木氏や麻生派の有村治子総務会長(55)を抜擢するようなら麻生氏の勝利となる。
ほかに、「麻生氏と対立してきた武田良太元総務相(58)を抜擢するのでは?」との声もあるが、そうなれば麻生氏との全面戦争が避けられなくなる。
8月25日、高市氏と麻生氏が首相官邸でランチをしたことを考えると、現時点で高市氏に麻生氏と完全に決別する考えはなく、武田氏起用はないと見る。

