イノベーションの成功は個人ではなく組織に依存する

前回もこのコラムで述べたように(http://president.jp/articles/-/493)、現在、企業が新たな戦略を達成する組織上の基盤固めのために、戦略的に必要な組織能力を開発するという考え方が重要になってきている。いわゆる組織開発である。背景には、現在、起こっている競争環境と組織環境の急激な変化があろう。

例えば、今、頻繁に議論されるいわゆる経営グローバル化への対応である。現在、多くの企業で、グローバル化対応は、人材の問題として扱われ、グローバル化研修や、また外国人採用などの対策が取られている。だが、そうした試みはあまり功を奏していない。私は、グローバル化対応とは、多くの企業にとって、根本的に組織文化、組織価値観などの転換を伴う組織変革であり、その意味で組織開発の対象だと考えている。