あえて「終戦の日」直前に決行した

ロシアは日本を「非友好国」に指定し、首脳や閣僚レベルの対話は途絶えた。外務次官級協議も打ち切られ、事務レベルの接触さえ乏しくなった。

こうした中、プーチン氏は、2024年1月、極東ハバロフスクを訪問した際、クリル諸島(北方領土と千島列島)について、「残念ながらまだ行ったことはないが、必ず行く」と公言していた。そして今回、ついにその予告を実行に移した形だ。

訪問のタイミングには、冷徹な政治的計算が透けて見える。日本が第二次世界大戦の終戦の日とする8月15日の直前を選んだのは、ロシアが「戦勝国」として北方領土を正当に獲得したという自国の歴史観を誇示し、対露制裁を続ける日本に揺さぶりをかける狙いがあることは想像に難くない。