高市首相が8月15日に靖国神社参拝を見送ったのも、米政府の意向に配慮したものだという見方が与党内では有力だ。秋の中間選挙を前にトランプ政権は中国との関係を悪化させたくない。首相が靖国神社を参拝すれば、日中関係が緊張するだけでなく、日韓関係にも悪影響を与える。
官邸は事前に米側と調整できないか模索したが結局できなかったというのである。
トランプ大統領もアメリカ国内の自分のファンを失望させるわけにはいかない。人気に支えられた指導者の弱点なのである。
“寝ずに働く”自己アピールが空回り
それでも人気にすがる以外に方策はないのだろうか。
「0~3時間睡眠で頑張っている」と投稿したり、熊本地震での視察の様子をBGM付きの動画にしてみたり。首相が一方的にしゃべるばかりで記者の質問もロクにない「会見」を開いたかと思うと、個人のXで事務方の説明のような長い長い文章の謎の投稿をしてみたり。……相変わらず自己アピールに余念がない高市氏だが、上滑り感は拭いようもない。
かつての小泉純一郎政権や安倍晋三政権も、大衆の人気を基盤にしたポピュリズム的な政治手法だと批判されたが、一方で、側近やブレーンを使って、現実的で柔軟な判断で政策を実行して長期政権を実現した。減税であっても消費税の扱いは政権にとって「鬼門」であることには変わりない。ネットを中心とする「世論」に頼るだけでは、この難所を越えることは難しい。
SNS世代に担がれた高市政権という神輿だが、その担ぎ手たちは、統制がとれず、付いては離れる危なっかしい状況で、むしろ神輿の方が、担ぎ手に振り回され始めている。そんな不安定な状態で、世界的な経済危機を乗り切れるのだろうか。
この夏は高市政権にとって、本当の正念場になりそうだ。


