女性天皇「賛成8割」でも男系男子を優先

そんな状態で突き進んだ皇室典範の改正問題が世論の支持を得られないのは明らかだ。「立法府の総意」にこだわりながら、審議の時間は衆参合わせてもたったの6時間半。しかも、ほとんどの答弁は木原稔官房長官に任せきりで、高市首相はまるで関心がないかのような態度だった。この問題に熱心だった麻生太郎副総裁の顔を立てさえすれば良い、ということだったのだろうか。

「戦後の皇室は、国民の支持に支えられて来ました。だから天皇陛下も『国民の理解が十分得られることを望む』とあえて発言されたのです。政府が決めたことなので粛々と進めるしかありませんが、女性天皇を認めるかどうかという本質的な問題を先送りして、国民に理解されていない方策を準備しろと言われても、戸惑いの方が大きいのです」

宮内庁幹部は、困惑の色を隠さず、そう話した。

高市首相としては岩盤保守層が望む「男系男子による皇位継承」を実現したのだから、その支持は固いと期待していたのだろうが、ネット世論も含めて世間の支持は広がっていない。それどころか、男系男子養子案を強く推してきた産経新聞とFNNの合同調査でさえ、女性天皇に賛成する声が8割近くに上っている。

高市政権を支持してきた「氷河期世代」や「Z世代」は、ジェンダー平等や人権尊重を当然だと意識する世代でもあると言われている。男女平等など当たり前のことなのだ。「2600年続く皇統」だとか「Y染色体の継承」だとか言われてもピンと来ないのも無理はない。

国民世論の支持が高い女性天皇論に強引に蓋をして、古色蒼然たる「男系男子養子案」を推し進めてきたこと、それ自体が世論の反撥を招いている。8月に入ってからもJNN59.2%(-6.7)・NHK54%(-5)と内閣支持率は下落し続けている。

消費税減税で「トランプとの蜜月」に異変

消費税減税もやっかいなことになってきた。

いま最も深刻なのは、石油やナフサの価格上昇をはじめとする物価高騰であり、歴史的な円安がそれに拍車をかけていることだ。しかし、高市首相は円安是正に慎重で、日銀にも利上げしないよう圧力をかけ続けてきた。

アメリカのベッセント財務長官が、異例の日米協調介入に踏み切ったことが話題になったが、高市首相の思惑と、日米の財政当局の意向にズレが生じ始めている。それだけではない。アメリカ政府は消費減税にも否定的な見方を示している。高市首相にとって蜜月のはずの日米関係が次第に微妙なものになりつつあるのだ。