親はどこまで子どもの罪を償うべきか
本来、親と子どもは独立した存在ですし、「親の育て方」と子どもの性加害との直接的な相関関係を示すエビデンスはありません。もちろん、未成年者の起こした事件では保護者が示談金を支払うケースが多いですが、それでも加害の全責任を親が負うべき理由はないはずです。
しかし、性加害者の親、特に母親には「親がしっかりと教育しなかったからだ」「どんな子どもの育て方をしたのか」といった「子育て自己責任論」が集中的に浴びせられます。詳しくは、拙著『夫が痴漢で逮捕されました 性犯罪と「加害者家族」』(朝日新聞出版)で取り上げていますが、欧米諸国ではこうした家族を支援すべき対象としてとらえる仕組みが整いつつあります。
しかし日本では、「世間の目」といった同調圧力が今も根強く存在し、家族と加害者は同一視され、連帯責任を負わされる風潮が残っているのです。「家族だから」という一点で社会的制裁を受け、排除されてしまう加害者家族。彼らは、「隠れた被害者」に他ならないのです。



