腸から脳へ連鎖する「漏れ」
小麦に含まれるグリアジンによって分泌されるゾヌリンは、血流に乗って脳にいたる場合がよくあります。
でも、脳には本来「血液脳関門」と呼ばれる、脳の血管に不必要なものが入るのを防ぐためのバリアが存在します。ただし、その血液脳関門のつなぎ目にゾヌリンが作用すると、タイトジャンクションが開きやすくなってしまうのです。
つまり、小麦によって脳がダダ漏れしてしまうということ。そうして、そこから細菌や毒素などが入っていく「脳漏れ」と呼ばれる状態が引き起こされます。私の臨床経験からすると、「腸漏れ」の症状がある人は、ほぼ漏れなく「脳漏れ」の症状が見られます。
腸の状態が悪い人は、脳の状態も悪いといえるのです。
小麦が脳を狂わせる
小麦に含まれるグリアジンは、血液脳関門のタイトジャンクションを開いて、脳を「もれ」させるだけではありません。
小麦自体が、神経と免疫システムにエラーを起こします。
これはどういうことでしょうか? 体内には、脳細胞や、脳内の「シナプス」(※)のあいだの伝達を担う物質や、血液脳関門のバリア機能を担う細胞をはじめ、グリアジンと似た構造(アミノ酸の配列)を持つ物質がたくさん存在します。
そして、それらと似ているグリアジンがやってきた場合、見た目はちがうのに、体は似たものとして反応してしまうのです。
つまり、いつも小麦を食べていて、しかも腸内環境が乱れていると、免疫システムはグリアジンを異物ととらえて、抗体をつくりはじめます。
やがて血中の抗体が脳内に侵入すると、先のグリアジンに似た部分(脳細胞やシナプス間の伝達を担う物質)に対しても、抗体をつくって攻撃をしてしまうのです。こうして神経伝達機能を低下させていき、アルツハイマー型認知症などに関わっていくわけです。
※ニューロン(神経元)と、ニューロンとの接合部。興奮がシナプス前部線維の末端までくると、化学伝達物質が放出され、それがシナプス後部膜の膜電位を変化させて興奮が伝えられる。
