28年ぶりに実施された日米による円買い協調介入
日米両政府が為替市場で東日本大震災以来となる協調介入を行ったことが話題となっている。ただし当時は円高是正のための協調介入だったが、今回は円安是正のための協調介入となる。円安是正のための協調介入となると日本が金融危機に陥った1998年以来、実に28年ぶりのこととなる。それだけ、今次の円安は危機的性格を持っている。
7月31日に行われた日米両政府による円買い介入を受け、165円を突破する目前だったドル円レートは157円台まで下落した。週明け8月3日にも日本による為替介入が行われた結果、ドル円レートは一時155円台まで下落した。その後はドルを買い戻す動きも生じているが、市場は日米両政府による協調介入を意識し、神経質な展開である。
ここで注目されるのが、米国がユーロを売って円買い介入のためのドル資金を得たことである。米財務省は7月24日時点で、143億6800万ドル相当の国債と115億7300万ドル相当の現預金、合計で270億ドル程度のユーロ建て資産を保有している。まず米国は、手持ちのユーロ現金を米国の為替市場でドルに換えて、円を買ったのだろう。
預金に関しては、相手方の中銀(恐らく欧州中銀=ECBのみならず、ドイツ連銀やフランス中銀などユーロ圏加盟国の中銀)の口座や国際金融機関(国際通貨基金=IMFや国際決済銀行=BISなど)の口座に存在すると考えられるため、取り崩しに時間を要する。一方で、国債を売却した場合は相手方の金融市場の金利に多大な影響を与える。
米国が日本による円買い介入を好まないのはそのためだ。日本が円を買うためのドル資金を調達する目的で米国債を売却すれば、米国の金利は上昇する。ただでさえそうなのに、今の米国の金利は、ドナルド・トランプ大統領による荒唐無稽な政権運営のために不安定である。そこで米国はユーロを売り、円を買うという奇策を用いたのだろう。


