制度上は対象でも、現実には「間に合わない」

40歳以上になると納める介護保険料。けれども、いざ介護が必要になったとき、誰もがすぐにサービスを使えるとは限らない。

とくに問題なのが、病状が急速に変化する終末期のがん患者である。介護保険は、65歳以上なら原因を問わず、40〜64歳なら末期がんなどの特定疾病で要介護・要支援状態になった場合に利用できる。

制度上は対象でも、必要な時期にサービスが間に合わないケースは少なくない。しかも、がん患者に必要な支援は「亡くなる直前」だけではない。抗がん剤治療中には、強い倦怠感、吐き気、食欲低下、痛み、しびれなどで、短期間に生活の質が大きく落ちることがある。昨日まで何とか自分でできていた排泄、入浴、食事、通院が、急に難しくなる。その時に介護保険が使えないと、患者は自宅で孤立し、家族も限界まで抱え込むことになる。