一通りにしか読めない文章を書けると有利

また、ここで重要なのは、これらの要素を組み合わせてAIが「一通りにしか読めない」ような、具体的で誤解の余地のない指示を出すことです。

やってはいけないことは、「大統領は誰ですか?」のような質問をしてしまうことです。「どの国の大統領か?」ということで複数の解釈ができてしまいます。

「アメリカ大統領は誰ですか?」でも、「いつの時点の」という問題があります。

「2025年の1月時点のアメリカ大統領は誰ですか?」でも、1月は大統領が交代するタイミングであるため、1月は2人の大統領が存在する可能性があります。

そうすると、「2025年1月15日時点のアメリカ大統領は誰ですか?」ではじめて意味を一通りにすることができます。

ワシントンDCのホワイトハウスの前に立つ観光客のアメリカ国旗
写真=iStock.com/Bill Chizek
※写真はイメージです

私は毎年、大量の大学生のレポートを添削していますが、一通りにしか読めないように文章を書くというのは、高度な技術なのだと実感しています。

したがって、この技術を持っている人は、これからの時代を生きていくうえで極めて有利になるはずです。

AIの能力を引き出す4つのプロンプト技術

また、大規模言語モデル(LLM)と呼ばれる現代の生成AIの能力を、より引き出すためのプロンプト技術も提案されています。

書影
中村一也『すぐ決められる人がうまくいく』(明日香出版社)
①ロールプレイング

「あなたは小売業に特化した経験豊富な経営コンサルタントです」のように、AIに役割を与えることで、その役割になりきった専門性の高い回答を引き出せます。

また、役割は人である必要はなく、「あなたはPythonというプログラム言語のコンソール(出力結果画面)として振る舞ってください」のようにもできます。AIに役割を与えるのではなく、「私を気難しい老人と仮定してください」のように自分の役割を設定する、という方法もあります。

②フューショット・プロンプティング(Few-shot prompting)

いくつかの「例(お手本)」を先に見せることで、AIはあなたが求める回答のパターンを学習し、精度が向上します。

【フューショット・プロンプティングの例】

以下は中学英語レベルの穴埋め問題の例です。

例1:

問題:(   )you like soccer?

選択肢:①Are ②Do ③Does

答え:②Do

例2:

問題:She(   )to school every day.

選択肢:①go ②goes ③going

答え:②goes

では、同じ形式で新しい問題を一つ作成してください。

ちなみに、例を全く示さずに指示を出すことを「ゼロショット」、例を一つだけ示して指示を出すことを「ワンショット」と言います。