生成AIはオーダーメイドの料理
たとえば、私が「奈良の東大寺の見どころを、小学生の子供に分かりやすく説明したい」と考えたとします。
【インターネット検索の場合】
まず、「東大寺見どころ」と検索します。すると、観光情報サイトや、歴史好きの人が書いたブログ、学術的な論文などが混在して表示されます。
私は、それらの情報を一つ一つ読み解き、小学生には難しすぎる専門用語を避け、子供が興味を持ちそうなエピソード(たとえば、大仏の鼻の穴と同じ大きさの柱の穴をくぐる話など)を自分で選び出し、わかりやすい言葉で説明し直す必要があります。
【生成AIの場合】
AIに対しては、こう指示するだけです。
「あなたは、子供に歴史を教えるのが得意な、小学校の先生です。奈良の東大寺の見どころについて、特に大仏の大きさと、柱の穴の話を中心に、小学生がワクワクするような語り口で、500字で説明してください」
※「大仏の鼻の穴と同じ大きさの柱」については諸説があります
AIは、私の目的を理解し、その目的のためだけに最適化された、世界に一つだけの解説文を、瞬時に生成してくれます。
たとえるなら、検索エンジンが「情報が置かれた棚」であるのに対し、生成AIはその棚から最適な材料を選び出し、あなたの要望に合わせてオーダーメイドの料理を作ってくれる「シェフ」のようなものです。
AIは、あなただけに向けられた、オーダーメイドの答えを生成してくれる強力なパートナーとなってくれます。
だからこそ、あなたがどれだけ具体的で、質の高い「オーダー(問い)」を設計できるかが、重要となるのです。
AIから最高の答えを引き出す方法
ChatGPTのような生成AIを使ってみて、「なんだ、この程度か」「期待したほど賢くないな」と、がっかりしたことはありませんか?
ChatGPTに質問をしても、当たり障りのない、ありきたりな答えが返ってくる。
そんな経験をした人は、少なくないはずです。
しかし、もし、その「質の低い答え」の原因が、AIの性能ではなく、私たち自身の「問いの質」にあるとしたら、どうでしょう。
AIは、「鏡」のようなものです。
質の低い問いを投げかければ、質の低い答えが返ってくる。逆に、質の高い問いを設計できれば、AIは頼れる思考のパートナーへと変貌します。
この、AIから最高の答えを引き出すための「問いを設計する技術」は、「プロンプトエンジニアリング」と呼ばれています。
「プロンプト」とは、AIに対する指示や質問のことです。これからの時代は、このプロンプトエンジニアリングの巧拙が、個人の生産性を、ひいては判断力を大きく左右することになります。
優れたプロンプトには、いくつかの基本要素があります。
②文脈:AIが思考するための背景情報や前提条件を与える。(例:「あなたは、ビジネス書の編集者です」)
③データ:AIが処理すべき具体的な情報(文章、数値など)を提供する。
④出力形式:どのような形で答えを返してほしいかを指定する。(例:「箇条書きで」「300字以内で」)

