「女であることにあぐらをかいている」

インタビューの途中、暑くなったので、ハンドタオルで汗をぬぐい、上着を脱ぎ、白いTシャツと黒いパンツ姿になりました。その格好で、質問を続けていた折、私が美輪さんのご本の中に、

「『色気のある女になりたい』と思うのなら、自分を美しく見せようという意識、些細な行動にもいたわりと思いやりをこめる生活習慣を忘れないことです」

美輪明宏
1950年代に撮影された若き日の美輪さん(写真=Kyodo News/Public domain/Wikimedia Commons

と書かれていたことに感銘を受けたとお伝えし、

「私、色気がない、色気がないって、いつも言われるんです。どうすればいいのでしょう」

すると美輪さん、

「上品な優しさが大事なのよ。それは、あなた持っているから十分よ」

そう褒めてくださったあと、

「でも、あなたって動きがまるで憑き物がついたみたい。なんかヒョコヒョコしてるじゃない。でも、それとこれとは別。十分色気はあるぞよ」

太鼓判を押してくださったあと、しばし私を上から下まで観察なさるので、

「どうか言葉を選ばないで、全部おっしゃってください」

叱られることを承知で向き合うや、「お、言わいでか、覚悟しや。その格好(白いTシャツと黒いパンツ)ったら、何もかも諦めちゃった体育の女教師みたいなものだわよ!」

ショック。でも、なんと言い得て妙であることか!

まだ更年期も閉経も迎えるはるか以前の話です。まあ、それはさておき、美輪さんに言われた、「女は女であることにあぐらをかいている」という言葉はその後もずっと頭に残りました。

80歳を超えた紳士が掲げる「3つの目標」

その後、ゴルフ仲間のお一人である80代の紳士F氏から言われた言葉も印象的です。

「僕はね、男が80を過ぎたら目標に掲げるべきことが三つあると思っているんですよ」

すなわち、

1.エージシューターになること。
2.娘と同世代のガールフレンドを見つけること。
3.お洒落であること。

エージシュートとは、18ホールを回ったスコアが自分の年齢と同じ、ないしそれ以下になることですが、シロウトのゴルファーにとってはそれが一つの夢です。ただし、若い頃にそれを達成するのはなかなか難しい。すべてパーで回って72ですから、70歳で達成するとしても、アンダーパーにならなければなりません。

私なんぞ、ゴルフを始めてすでに20年が過ぎましたが、今までのベストスコアで89です。今後、80より少ないスコアで上がることはほとんど不可能。多少腕が上がったとしても、それに反比例して体力気力はどんどん落ちて、飛距離も落ちていくいっぽうです。

この分だと、もし私がエージシュートを達成できるとしたら、90歳を過ぎた頃、あるいは100歳になるまで無理です。はたしてそこまで生きていられるか。でも、無理とわかっても目指したい夢の一つです。