国民理解を求める姿勢がゼロ

食品の消費税をゼロにすると公約した。そのための「国民会議」なるものをつくったが、1%かゼロかでストップしたまま。実現したとしても、早くて来春といわれる。現在、物価高に悩む多くの国民は「遅すぎる」と失望している。

トランプのアメリカがイランに仕掛けた戦争で、オイルショックが起きることを恐れた高市首相は、「国家備蓄」や「民間備蓄」の石油放出を断行した。これ自体は非難されることではないが、アメリカとイランとの合意がもつれれば、イラン側はホルムズ海峡封鎖を続けるかもしれない。備蓄が尽きてしまう可能性もなしとはしない。

また、原油高の影響は数カ月遅れてくるから、さらなる物価高が国民を苦しめることになるといわれる。高市政権は国民の不安を軽減するために、どのような物価対策や家計支援策があるのか、はっきり国民に示すべきだが、「やります、やります」というだけだ。

そうかと思えば、日本維新の会と連立を組む時の合意とはいえ、「衆議院議員の45議席削減」を十分な議論もないまま、高市首相は「比例代表のみで45議席削減」案での取りまとめを自民党執行部に指示したという。

議員定数削減は、自民党の「政治とカネ」問題への批判をかわし、「身を切る改革」をアピールして国会運営の主導権を握る狙いが高市首相にあるといわれる。

国会議事堂
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拙速な皇室典範改正

だが、比例枠が大きく削られると、得票率の低い中小政党が議席を獲得することが難しくなり、結果として二大政党や一部の大政党に有利な議会構成になりやすくなる。多様な価値観やマイノリティの視点が国政から排除される恐れがある。

自民党内からも反発の声が出ていて、終盤国会での政権運営の“火種”にもなりかねないといわれている。これこそ熟議をして、国民の多くの理解と納得を得てからやるのが当たり前ではないのか。

拙速といえば、皇室典範改正もその一つである。案は二つ。一つは、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保つ。二つ目は、旧宮家系の男系男子を養子に迎える。

だが一案では配偶者や子の身分は明記されず、二案でも「必要に応じて一定年数ごとに見直す」と記されているといわれる。

喫緊の課題である「安定的な皇位継承のための方策」については、引き続き検討するというだけ。

国民の7~8割が望んでいるといわれる「愛子天皇」については、「男系男子」に固執する高市首相の意向もあり、全く議論もされず斬り捨てられてしまったのである。

秋篠宮は59歳の誕生日に行われた記者会見で、女性皇族が結婚後も皇室に残る案について触れ、「皇族は生身の人間」と述べた。

これは、個々の皇族も人間としての立場や感情がある。当事者たちの声を聞くべきではないかという意だと、私は受け取った。

この発言は大きな話題になったが、時の首相が動いたという話は聞こえてこなかった。