企業物価指数「6.3%上昇」の衝撃
日本銀行が発表した、5月の企業物価指数(いわゆる卸売物価、速報値)は前年同月比6.3%上昇した。前月の5.3%から、企業間の物価上昇は加速した。その主な要因は、イラン戦争によるホルムズ海峡の実質的封鎖で、エネルギー資源やナフサなどの価格が上昇したことだ。
そうした数字を見ると、わが国のインフレはまだまだ続きそうだ。企業は、エネルギーや原材料の増加分を販売価格に転嫁することになる。それに伴い、食品、日用品さらには建材や工業製品など、広範なモノやサービスの消費者物価には上昇圧力が掛かる。
6月以降、多くの品目で値上げが予想され、値上げ予備軍は目白押しの状況だ。現在の高市政権の経済政策では、補助金や減税政策が検討されている。それらの施策は、基本的に物価の押し上げ要因になる。
一方、個人消費は、物価上昇もあり、なかなかコロナ前の水準まで戻らない。今のところ、AI関連の設備投資が活発なため景気は底堅い動きを示しているが、今後、物価上昇が一段と加速するようだと、景気の先行きに黄色信号が灯ることも懸念される。インフレ圧力によって、私たちの生活感覚はさらに苦しくなる覚悟をしておいたほうがよいだろう。


