食料品だけでなく石鹸やシャンプーも値上げ

当面、わが国の物価には押し上げ圧力がかかるだろう。原材料やエネルギーの上昇に加えて、人手不足による労働コストの上昇という国内要因もある。

今後、食品の価格は一段と上昇が鮮明化すると考えられる。ナフサの不足、代替調達経路確保の負担などで包装などのコストは上昇している。それに加え、物流のコストも食品価格の押し上げ要因になる。イラン戦争の発生による肥料価格の上昇も、肉類から葉物野菜まで、幅広い食品の価格を押し上げることになる。

住居関連や日用品の価格も上昇するだろう。中小のリフォーム業者では、ナフサの不足による塗料や接着剤の不足から、ユニットバスなどの発注ができない事業者が出始めた。石鹸やシャンプーも、ナフサの不足の影響が直撃する形で価格上昇が加速するだろう。

シャンプーボトル
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円はトルコ・リラ以下の「最弱通貨」に

さらに気がかりなことは、外為市場で円の下落傾向が定着しつつあることだ。現在、日本経済の成長力の低下を背景に、円はドルやユーロ、新興国通貨に対して減価傾向だ。一部では、円の購買力はトルコのリラを下回ったとの指摘もある。

国内の労働コストの上昇、世界的な供給網(サプライチェーン)の寸断や不安定化による資源・資材調達の減少、そして円安。当面、この3つの要素は続くだろう。それにより、食品、日用品、耐久財など値上げ予備軍はさらに増えるだろう。

わが国の名目賃金は緩やかに上昇しているものの、物価上昇率を安定的に上回るにはなっていない。物価上昇懸念が高まることで、個人消費が腰折れのような状況になる恐れは高まる。今後、わが国の経済が厳しい状況に陥る恐れがある。

これから、日銀の段階的な追加利上げも避けられないだろう。政府は、本格的な経済力回復への道筋を示すことが必要だ。今後の政策運営は、中長期的な日本経済の実力と、わたしたちの生活に決定的なインパクトを与えるはずだ。

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