にもかかわらず、家族は、「母は壊れて別の世界へ行っちゃった」と思い込み、それが悲しくて悔しくて、つい母を責めてしまっていたのです。母にしてみれば、なんでみんなが急に自分を叱り始めたのか理由がわからず、動揺し、精神的にも不安定になりました。

認知症の初期の頃は、いつも穏やかだった母が頻繁に怒ったり泣いたりするようになり、家族との衝突が絶えませんでした。

でも基本的には素直で明るい性格の母だったので、だんだんと家族との関係も平穏を取り戻し、ものを忘れる度合いは増えていきましたが、暴れたり徘徊したりすることは一度もありませんでした。