高市政権は「詰み」
アメリカの安全保障は、常に日本の望む形で発動するとは限らない。
それでも日本は、対中国の最前線に立たされる。
しかも国内に向けては、“中国に屈しない日本”を演じ続けなければならない。
ここに、高市外交の詰みやすさがある。
今回見えたのは、日本がノーと言う相手を選べないどころか、ノーと言う場にもいないという現実だった。
資源に乏しい。円は弱い。
国債金利は上がっている。少子高齢化は進む。
安全保障はアメリカに依存。国内世論も割れている。
海外メディアの記事を重ねて読むと、これらは別々の問題ではない。ひとつの構造として浮かび上がってくる。
日本のヤバさがバレている
高市政権はいずれ、国内向けの強い言葉と、国際市場での弱い立場の矛盾に、さらに挟まれていく可能性が高い。
政権が詰むとすれば、それはトランプに媚びたからではない。
媚びなければ持たない。それくらい弱体化した日本の構造的な制約がアメリカにも市場にも見抜かれているからだ。
では、高市政権はいつ詰むのか。現時点で、主要メディアは2月の衆院選で大勝したため、政権基盤はまだ強いと見ている。
むしろ、先に詰むのは政策だ。
その最大の引き金が、イラン戦争によるインフレの長期化である。
ロイターは5月15日、日本の4月の卸売物価が前年比4.9%に上昇し、輸入価格も円建てで17.5%上昇したと報じた。原油高と円安が重なり、6月利上げへの観測が強まっている。
ここで日銀が利上げすれば、円は支えられるが、景気と財政には打撃となる。
逆に利上げを見送れば、円安とインフレが続き、家計の不満はさらに高まる。
もうひとつの山場は、すでに触れた補正予算だ。原油高対策や家計支援のために支出を増やせば、国債発行増への警戒から利回りが上がる。
この時、政権は「何をしても別の弱点が噴き出し、市場に怒られる」状態に入る。
高市政権の“詰み”は支持率ではなく、市場から始まると言っていいだろう。

