「日本スゴイ」と「トランプ媚び」の矛盾
高市首相は2月の訪米時、「トランプ媚び」と批判されるほど、トランプとの親密さを強く演出した。でも、その親密さをアピールすればするほど、国内で語られる「米国にもモノを言う自立した高市外交」というイメージと矛盾してしまう。
国内向けには、「保守派として、中国にもアメリカにも屈せず、日本の主体性を主張」。
訪米時の演出では、「トランプと特別に近い、アメリカに信頼される日本」。
この同時には成立しにくい説明を使い分けているわけだ。
米中首脳会談でハブられた
ただ、高市政権の思うようには進んでいない。今回の米中会談において、中国の習近平大統領はトランプ氏に対し、台湾問題の扱いを誤れば米中の衝突につながりかねないと警告した。
一方、トランプ氏は米中会談後に高市氏へ電話し、日米同盟は「揺るぎない」と再確認したものの、台湾について何を話したかは明らかにされなかった。
日本にとって重要なのは、台湾をめぐる核心的なやり取りが、まず米中で行われ、その内容を日本が後から説明される立場に置かれていることだ。
これは高市氏にとって痛い。国内向けにはトランプ氏との親密さを見せたが、トランプ氏が米中交渉で、日本の立場を代弁してくれるとは限らない。
高市氏の台湾発言は、国内では「中国にノーと言う日本」として響いた。だが米中首脳会談で見せられたのは、日本がノーと言う前に、台湾をめぐる土俵そのものが、米中の間で動いていく現実だった。

