身の回りにある物にはすべて何らかの「かたち」があるが、その形状がどうしてできるのかという謎を物理学者が見事に解いた。著者の1人は熱工学分野のノーベル賞と言われる「マックス・ヤコブ賞」を受賞した米国デューク大学教授で、世界は偶然や運でできたのではなく、多様性の背後には予測可能な「流れ」があると説く。一言でいえば、「世界を動かすのは愛やお金ではなく、流れとデザイン」(28ページ)であり、それを「コンストラクタル法則」という物理法則が支配しているという。
ビジネスパーソンにも身近な「流れに身を任せる」「最小の努力で最大の成果」という方法論もこの物理法則が発現したもので、「身の周りのあらゆるものの進化には時間的な方向性がある、目的がある、(中略)流動性能向上を目指す方向性がある」(45~46ページ)と喝破する。実は、合理性とは自然界にもともと備わっていた性質なのだ。
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