ユーザー・イノベーションの研究はいかにして始まったのか。創始者へのインタビューから解き明かす。

幼少期から発明家であることをこよなく愛す


MITのエリック・フォン・ヒッペル教授(右)と彼の著書『イノベーションの源泉』(88年)(左)。

ユーザー・イノベーション研究の創始者、エリック・フォン・ヒッペル(マサチューセッツ工科大学〈MIT〉教授、以下、エリック)の話をしよう。彼はこれまでのイノベーション研究人生で何を見て、どのように考え、研究を行ってきたのだろうか。

「僕はこれまでいつも発明家であろうとしてきたんだ」。この春、MITにある彼のオフィスでインタビューを始めたとき、最初に出た言葉がこれだった。