「何のために、誰のために」を問い続ける

内的動機を育てる鍵は、「なぜこの仕事をするのか」「誰のために行うのか」という問いを部下に投げ続けることです。

大愚元勝『リーダーの器量を問う禅 感情に流されず正しく決断するための「整える」技法』(日本能率協会マネジメントセンター)
大愚元勝『リーダーの器量を問う禅 感情に流されず正しく決断するための「整える」技法』(日本能率協会マネジメントセンター)

「何のために」「誰のために」を問い直すことで、仕事は「やらされるもの」から「自分からやりたくなるもの」に変わります。

私の福厳寺では毎月第2土曜日に「ご縁日」を開催しています。月まいり法要(読経会)や坐禅会、写経・写仏会などが催され、多くの人が訪れます。この行事は、弟子の吟心英幸ぎんしんえいこうの発案で始まりました。「仏縁によって多くの方がつながってほしい」「大切な人を亡くした方々が、年忌法要だけでなく、毎月、故人をしのぶ場をつくりたい」という、弟子たちの自主性が形になっています。

ご縁日の準備には手間がかかり、負担も大きい。しかし弟子たちがそれを苦にしないのは、報酬や義務ではなく、「何のため」「誰のため」という問いに根ざした内的動機があるからです。ご縁日は、地域の人々の心を支える場へと成長しています。

モチベーションは外から与えるものではなく、内側から芽生えるものです。リーダーの役割は、その芽が育つ環境を整えることにあります。「何のために」「誰のために」という問いを日常の中で繰り返す。そうして部下自身が「自分は主人公だ」と気づいたとき、モチベーションは自分のものとなり、強く長く燃え続けるのです。

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