インドで倒れる

翌年、今度は後輩と一緒にインドへ。首都デリーからコルカタまで約1800キロを、50日かけて自転車で行く予定を立てたが、初日からお腹を壊し、最後まで体調不良に見舞われた。当時は清潔な水が確保できず、1カ月で体重は18キロも減少した。残り600キロ地点に到達した時に、とうとう体力が尽きて、道に倒れ込んでしまった。

「道路に寝転んだら青空が見えて、この空は日本につながってるんだなと思ったら、もう涙が出てきたんですよ。なんとかして日本に帰りたいと思って、『生きて日本に帰してくれるんだったら、日本のために役立つような人間になります』と神様にお願いしました」

このときの酒井さんを救ったのが、米だった。インド料理を受け付けなくなっていた酒井さんは持参したのりたまのふりかけと、途中で知り合った日本人に分けてもらった鮭フレークを白米にかけて食べた。慣れ親しんだ日本の味に元気を取り戻した酒井さんは、なんとか走り切り、ゴール地点のコルカタに到着した。