免許返納より先に薬を見直せ

なお、運転禁止薬のリストは、インターネットで「運転禁止薬リスト」と検索すれば、確認できます。

最近では、「高齢者は免許を返納すべきだ」という声が大きくなっていますが、私はむしろ薬の副作用こそが重大事故の原因になっているのではないかと考えています。薬を服用していない高齢者は、むしろ若者より事故が少ない、もしくは同程度であるというデータもあるのです。

地方では車が生活の足ですから、安易な免許返納は社会とのつながりを断つことにもなりかねません。実際に、運転免許を返納してから、6年以内に要介護状態になるリスクは2.2倍にも跳ね上がります。

車の運転を続けたいなら、まずは薬を見直すこと。それこそが自立した老後を送る第一歩になるのです。

健康長寿のカギはストレスとのつきあい方

もうひとつ、60代以降の方にぜひ気をつけていただきたいのが「ストレスとのつきあい方」です。よく知られているように、日本人の死因のトップはがんです。このがんを防ぐためにもっとも大切なのは、免疫機能をしっかり維持すること。

和田秀樹『60歳で離れる人、60歳からつきあう人』(PHP研究所)
和田秀樹『60歳で離れる人、60歳からつきあう人』(PHP研究所)

私たちの体には、体内でできたがん細胞やウイルスに感染した細胞を見つけ次第退治してくれる、「ナチュラルキラー細胞(NK細胞)」という免疫細胞があります。NK細胞の活性が高いと、がんになるリスクが低くなることがわかっています。

ところが、このNK細胞の力は年をとればとるほど、どんどん落ちていくのです。具体的には、40代では20代の半分、70代になると約10分の1にまで低下してしまうといわれています。

さらに厄介なのは、NK細胞はストレスに弱いということです。ストレスや精神的な抑圧が加わると、NK細胞の活性は著しく低下してしまいます。

つまり、年をとればとるほど免疫力が落ちる上に、我慢や不安などが重なってストレスが増えると、免疫力はさらに低下し、がんや感染症のリスクが一気に高まるということです。

だからこそ私は、年をとったら頑張りすぎなくていい、無理をしなくていいと言い続けているのです。

(初公開日:2026年3月15日)

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