欧米列強に抱いた不信感
つまるところ、学問が重要なのである。
外国との交易が始まった今日、従来の「皇学・漢学などを唱え、古風を慕ひ新法を悦ばず、世界の人情世体に通」じていなければ、西洋諸国の「策中に籠絡せら」れてしまう。「中津の士民も、今より活眼を開て、先づ洋学に従事し、自から労して自から食ひ、人の自由を妨げずして我が自由を達し」てほしい。
西洋を訪れ文明を知り、また外交文書を読むなかで彼らの横暴さも知った福沢による、故郷への訴えである。この文書の終盤には、次のように記されている。「人誰か故郷を思はざらん、誰か旧人の幸福を祈ざる者あらん」(『全集』20)。
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