生活リズムを安定させる朝日の力

寝つきの悪い人に朝の光を取り入れることが勧められるのは、このためです。睡眠でいえば、たとえば少し眠たいけれども頑張って目覚まし時計をかけていつも同じ時刻で起きて、朝日を浴びるというところから始める。

これが、寝つきの悪さを解消するポイントになってきます。そうしているうちに、朝起きる時刻が定着してきて、体内時計の仕組みを介して徐々に眠りに入る時刻が安定してくるのです。

私たちの体の中で1日のスケジュールを作っている体内時計の仕組みからいうと、朝起きた時に、太陽の光を手掛かりに1日が24時間より少し長いその時計を24時間に合うようリセットします。夜眠る時刻を一定にしていても、それだけでは体内時計のリズムは変わりません。睡眠を改善するには、起きた際に光でリセットされるこの仕組みを安定化するのが効果的です。

朝日を浴びながら、ベッドの上で伸びをする女性。目覚まし時計は7時9分を指している
写真=iStock.com/oatawa
※写真はイメージです

生活リズムを一定にするという目的で、早寝早起きを心がけたいと思うかもしれませんが、これは子どものしつけという観点からの話です。一方、大人になると、体内時計も安定してきて、その時計のリズムに厳密に従うようになってきます。

眠くないのに布団に入るのは避ける

また、子どものように長く眠ること自体もできなくなります。早寝をしようと思っても、眠る前には頭も目も冴えてくる睡眠禁止時間帯が訪れます。この時間帯には寝床に入らないことが不眠に悩まないための鉄則です。

そもそも、早寝がそれだけで健康的という根拠はありません。熟年になって必要な睡眠時間が短くなってきたら、寝床で過ごす時間を適正化するほうが良い睡眠が得られます。その理由は大きく2つあります。1つは、寝床で横になっている時間が生理的な睡眠時間よりも長いと、結果的に睡眠が分断されたり浅くなったりしやすいためです。もう1つは本能的な問題で、布団の中で覚醒しながら夜に暗いところでじっとしていると、警戒心が増すことがわかっているためです。警戒心が強い状態だと先のことを捉えようとして取り越し苦労が増えてくるのが普通です。こうなると休息感が損なわれていきます。大人にとって大事なのは、早く寝ることではなく、眠くなってから寝床に入ることです。