今でも続く日米の賞賛合戦

佐世保発の焼肉投稿を皮切りに、日米の共通点や違いを見つけては喜び、相手の文化を褒め合う投稿が次から次へと飛び交うようになった。

ノウ・ユア・ミームが取り上げる事例は多彩だ。3月28日、カウボーイスタイルの服に身を包んだ写真を投稿し、アメリカ南部文化への愛を語った日本人ユーザーの投稿は、現在までに約380万回表示された。

同日、「日米国旗の赤い部分はBBQの肉を表してる」とユーモアで切り返した投稿も、330万表示に達する。こうしたバイラルの連鎖に、収束の気配はない。

3月30日になると、米ユーザーのタイムラインに流れ込んでいた日本語の投稿の数々が、急に減り始めた。これに対してアメリカのあるユーザーは、バットマンが涙を流して引き留めるミームで別れを惜しんでいる。この投稿は870万回以上表示されている。

しかし、原因はただの時差であり、日本側ユーザーたちが眠っていただけだったと知ると、米ユーザーたちは胸をなで下ろした。

「日本」という説明書きが付加価値になる

中国発の動画共有アプリ「TikTok」でも、日本の存在感は際立つ。「ジャパン・エフェクト」と名付けられたトレンドが、若い世代の間で急速に広がっている。

仕掛けは単純だ。海外のどこかで撮られた同じ写真を2枚並べ、1枚目には実際の撮影地名を、2枚目には「日本・東京」と説明書きを加える。たったそれだけで、コメント欄には2枚目の方が美しく見えるという声があふれ出す。

もちろん同じ写真だということは、見る方も百も承知だ。それでもなぜか、「日本」と説明された方が一段上のコンテンツに見えるとして、海外ユーザーたちは不思議な感覚を楽しんでいる。何の変哲もない路地や草原の写真でも、日本と言われた途端に特別感を帯びるという。

このトレンドを取り上げた米ビジネス誌のファスト・カンパニーの記事で、あるユーザーはこう打ち明けている。「こういう動画をたくさん見るうちに、自分の中にそれは大きなジャパン・バイアス(日本の方が何かと良いのだと思ってしまう先入観)があることに気づくようになりました」

日本の日常にはえも言われぬ魅力があるとされる。夕暮れ時に目に飛び込んでくる街角のセブン‐イレブンですら、利便性とノスタルジーが共存する空間として海外ユーザーの目を惹く。

セブン‐イレブン
写真=iStock.com/winhorse
※写真はイメージです

同誌は、撮影地をアメリカと決め込む「アメリカ・エフェクト」を行ったとしても、同じ魔法はかからないと論じる。知らぬ間に不思議と惹き寄せられる、そんな独特の引力が日本の風景にはあるのだろうか。