成功者の共通点は徹底的な模倣
社長在任中に19年連続で増収増益を記録したこともあるトリンプの吉越浩一郎氏は、ベンチマーキングを「TTP(徹底的にパクる)」と表現していました。他社の成功事例を徹底的に研究することで増収増益を果たした、といっても過言ではないのかもしれません。みなさんも、成果への近道のため視野を広げて成功事例をどんどん取り入れていくべきです。
他社や他部署で「うまくいっている方法」を探し出し、自分のものにしていきましょう。環境や状況が変われば、トヨタのように「独自のもの」として変化を遂げていくはずです。もちろん、この考え方は、ビジネスパーソン個人のスキルアップにも応用できます。
「成功している人のライフスタイル」をベンチマーキングすることで、自身のパフォーマンスをより速く底上げできるというメリットもあるのです。ここで、具体的に私が仕事のパフォーマンスを上げるためにベンチマーキングしたことのある事例をいくつか紹介しましょう。
まずは「睡眠」です。成功している人やバリバリ動いて結果を出している人は「寝る間を惜しんで」働いているような印象がありますが、実際に話を聞いてみると、「戦略的に寝ている」という人が多いことがわかりました。
みんな、「睡眠こそが業務効率につながる。削るなんてもってのほか」と口々にいっていたのです。それがきっかけで私も、睡眠にこだわるようになっていきました。
集中を生むトヨタ式「休息術」
今でも最低6時間以上は寝るようにし、休日でも、普段と同じ時間に起きるようにしています。睡眠時間だけでなく、枕や布団にもこだわり、睡眠の質が高くなるようなものをチョイスしています。
さらに、神経を刺激して、快適な睡眠の妨げとなるブルーライトを避けるため、寝る前にはテレビやスマホなどを見ないようにして、すぐに入眠できるようにしました。加えて、成功している人には集中して仕事をするための「環境作り」がうまいという共通点もあります。たとえば、仕事に没頭したいときには、モーツァルトの音楽を聴きながら仕事をしているという人がいました。
また、1週間のスケジュールのなかに、必ず頭をからっぽにして身体を動かす時間を作っている人も多くいました。脳を休めるために、マラソンやトライアスロンをするなど運動の時間を確保しているのです。
思い返すと、トヨタの現場でも、お昼休みにみんなでバレーボールをするという慣習が古くからありました。こういったことを踏まえて考えれば、これも、午後から集中するための頭の切り替えに大いに役立っていたのかもしれません。私自身も仕事の環境作りにはとてもこだわっています。
前述のモーツァルトではありませんが、仕事の種類に応じて聴く音楽の種類を使い分けていますし、とくに集中したい場合には、余計な音だけをシャットアウトできるノイズキャンセリング機能が搭載されたヘッドフォンを使ったりもしています。


