半数が「仕事上のトラブルを経験した」
スキマバイトは履歴書も面接も不要で、短時間だけ働いて、給料もその日に振り込まれるといった手軽さが受け、各アプリの登録者数は急増している。
一方で「募集時の内容と実際の仕事が違った」「定時よりも早い時間に退勤させられた」などワーカーが不利益を被るケースも少なくない。労働組合の中央組織・連合がワーカーを対象に実施した調査では、半数が「仕事上のトラブルを経験した」と回答している。
中でも、給与をまるまるとりっぱぐれるキャンセルによる影響は深刻だ。この間、ワーカーが企業を相手取り、未払い賃金の支払いを求める訴訟も相次いでいる。
キャンセルをめぐるトラブルはなぜ起きるのか。
スキマバイトでは、アプリ上でワーカーと企業がマッチングすることで労働契約が成立する。企業によるキャンセルは、ワーカーにとっては違法な解雇に当たることもある。
ワーカーのような“ペナルティ”がない
一方でタイミーなどのアプリ事業者らでつくるスポットワーク協会は、天災などに加え、就労開始の24時間前までであれば①天災等の不可抗力によらない営業中止②仕事量の変化に伴い募集人数の変更が必要になった③掲載ミスがあった――といった企業都合の場合でも解約ができるとしている。このように本来企業側に責任がある理由でもキャンセルできることが、トラブルにつながっていると思われる。
とはいえ企業によるキャンセルは、以前は今以上に頻発していた。もともと業界には「労働契約はワーカーが出勤時にスマホでQRコードを読み込んだときに成立する」という“独自ルール”があったからだ。現在の労働契約成立=マッチング時よりも後のタイミングのため、ルール上は当日や出勤直前の“ドタキャン”でさえ可能だった。
加えてワーカーが仕事をキャンセルした場合は、アプリの利用を制限されるなどのペナルティを課せられるのに対し、企業がキャンセルした場合は、アプリによって違いはあるものの、ワーカーほどの不利益はない。このため全国の労働基準監督署などにはワーカーからの相談が寄せられた。
こうした事態を受け、厚生労働省は昨年7月、労働契約成立のタイミングは、原則ワーカーと企業がアプリ上でマッチングした時点との見解を初めて示した。
