安易に図書館を利用するのは考えもの

その意味で、街の図書館に行くのにも注意が必要です。本との出会いを求めるのではなく、単に時間をつぶすために行くのだとしたら少し寂しい。

私自身は、還暦をすぎてからの読書は暇つぶしではなく、しっかりした学ぶべき目的や対象があって、それを深掘りするものであってほしいと思います。

正直、図書館で漫然と新聞を読んだり、文庫本を読んだりしている高齢者グループというのは、あまり前向きな感じがしません。特にどこも悪くないけど病院に行って時間をつぶしている高齢者と本質的に変わらない。

開館と同時に自分の読みたい新聞や座りたい場所を確保するため高齢者同士で揉めるなど、誰も見たくない光景です。

そもそも、書籍は自分でお金を出して買った方が身につきます。人間は現金な存在ですから、お金を出して買うと、しっかりと元をとらなければと思いしっかり読みます。語学などの学習でも教材や受講料に高いお金を払うので、必死になるという部分があります。

なにより自分の書籍なら、読みながらアンダーラインを引いたり自分の考えを自由に書き込んだりできる。すると理解度が劇的に変わってきます。

付箋をたくさん貼った本と高齢女性の手
写真=iStock.com/ruizluquepaz
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テーマがあるなら大学の図書館こそ活用すべき

図書館とは、まだお金のない若い人がおもに行く場所であり、金銭的に余裕のある高齢者は、出版文化を支える意味でも書店で書籍を購入してもらえればと思います。

高齢者が図書館に行くのは市販されていない古い文献や新聞のバックナンバーを調べるとき、あるいは一冊数万円するような高価な本を読むときです。

その意味では、近くにある大学の図書館がおすすめです。今は大学の図書館は多くが地域に開かれています。一般の図書館にはない専門書や稀覯きこう本がたくさんある。自分が真剣に勉強したいというテーマがあるなら、大学の図書館こそ活用すべきです。

大学の施設はOB、OGに対して基本的に好意的なので、自分の出身大学ならなおのことおすすめです。そういう施設を効果的に活用しましょう。

あとは、地域のコミュニティセンターなども勉強するには意外に有効な空間です。図書館よりは人が少なく、利用スペースもけっこう余裕がある。

実際に行ってみると学生や社会人などが勉強スペースとして活用しています。地域によってさまざまな公共施設があるのでチェックしてみるといいでしょう。